神戸東灘区にあるパーソナルトレーニングジムのFujitaniです。今回は体の中でもシルエットを構成する「肩」の筋トレをご紹介します。
肩の筋肉と言えば「三角筋」。
解剖学的には、前方と後方、その中間の3つの要素に分けられます。
全部を一緒に鍛える考え方もありますが、カラダ作りを目的としたトレーニング上級者はそれぞれ分けて鍛えます。
始めは肩の筋トレへ多くの時間を費やすことに抵抗があるかもしれませんが、努力の効果は絶大です。また、体の輪郭を構成する筋肉は成果が自分自身で確認しやすくモチベーション維持にも最適。
さぁ、ここからは夏を意識したメリハリBODYに欠かせないトレーニングをターゲットごとに説明していきます。
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≪ 三角筋を鍛える方法 ≫
バーベル・ショルダープレス
ショルダープレスと言えばダンベルを用いる方法が一般的です。
他の器具(バーベル、マシン)と比べて保管場所に困らない点や、肩全体(特に中央~前方)をトレーニングできる点で有利です。
また、肩の前側を大きくするならインクラインベンチプレスが効果的。
それにも関わらず、バーベルを使った方法を最初にご紹介する理由は、肩と一緒に美しい姿勢を作り上げられるから。
首の後ろ(ビハインドネック)にバーベルを下す方法は基礎知識なくして行うと肩の関節、首、腰を痛める危険性があるので、ここからは順を追って説明します。
➊ 背すじの安定
インクラインベンチを写真のような形状にして、手前の小さい面へお尻を乗せます。
この方法は簡単に背すじを伸ばせる裏技で、トレーニング効果を最大限に高めます。
その時、両脚を広めのスタンスでしっかり踏ん張ると腰を痛める原因の1つ「骨盤前傾による腰椎過前弯」を予防できます。専門用語が並びましたが、簡潔に書くと「腰を反り過ぎて痛める」という意味です。
普段の姿勢が悪い方は、骨盤のコントロールが自在にできない(これを広義の「骨盤のゆがみ」と呼ぶ治療家もいる)ので、インクラインベンチの傾斜で意図的に美しいポジションを作ります。
➋ バーを頭上にセット
セットする位置も大切です。
バーが肩の真上に来るように肘を伸ばした状態で構えましょう。
前過ぎるとさっき作った姿勢が崩れますし、後ろ過ぎると肩関節の負担が増えます。
➌ バーを背中に下す
「首の後ろに下す」イメージはNGです。
ビハインドネックと言うと普通は首の後ろを指しますが、そこを目指すと必然的に頭が前に出てきて首をケガする原因になります。
背中めがけて下していくと、自然と背すじが伸びてキレイなボディラインになり、さらに側面から見た時の肩甲骨が後方に傾くので三角筋前部線維のトレーニングになります。
ダンベル・サイドレイズ
今回紹介するのは体の軸を傾けて行う方法で、近年、一般的になりつつあります。
通常の直立姿勢と比べて筋肉が伸ばされた状態で収縮活動が起こるので、効果的な三角筋(特に中央~後方)のトレーニングになります。
➊ 軸を作る
安定した台に対して横向きに立ち、ダンベルを持っていない側の足を軸にします。
そして、空いている手で上半身を支えましょう。
この時、肩から軸足までを一直線にしますが、ちょっとした体幹トレーニングになりますね。
➋ 支持面を広げる
現状では不安定なのでダンベルを持っている側の足で支えます。
筋トレ上級者の方はクロスさせている両足のつま先を外へ開くと、肩の疲労による骨盤の捻り(トリックモーション)を防止できます。ご参考までに。
➌ 腕を水平まで上げる
ダンベルが大きな弧を描くように、肘を伸ばした状態で操作します。
よくある間違いは、真横に腕を上げてしまう動作。
肩の関節は真横よりも少し前にニュートラルポジション(機能的に自然な位置)があるので、関節にとって最適な軌道を描くと効率的な筋トレになるほか、ケガの予防にもなります。
腕を上げる高さは地面と水平までにし、下す動きは意識的にゆっくり行いましょう。
【番外編】ケーブル・サイドレイズ
可動域全体で負荷をかけられるのでおすすめです。マルチプーリーの場合も手順は先ほどと同じです。
ケーブル・フェイスプル
最後に紹介するのは三角筋後部線維のトレーニングです。
ダンベル・リアレイズなど自宅でできる筋トレもありますがマシンを使用すると、とても効果が出やすいです。
また、背部に位置する筋肉なので後回しにされやすい部位ですが、夏場のビーチサイドでは背中で大きく差が出ます。
魅せるカラダを目標にする皆様は、必ずエクササイズメニューに加えましょう。
➊ 上半身の安定
インクラインベンチの位置は、写真の体勢になった際に股関節が窮屈でない場所に置きます。
さらに滑車部分の高さは肩と滑車の結ぶ線が、上半身と垂直に交わる角度になるようにセットします。
アタッチメントとしてはトライセプスロープが適切でしょう。
➋ 親指を手前に握る
トライセプスロープを使用する場合、親指が手前になるように握ります。
小指を手前に握っても引く動作に支障はありません。しかし、三角筋後部線維を強力に収縮させたければこの方法が最適です。
➌ 引く動作
この種目の名称通り、顔(鼻や口)に向かってアタッチメントを引きます。
動作中は腕を体に対して90°以上に保持しましょう。
引く動き終盤では胸を前に突き出すイメージを持つと肩だけでなく肩甲骨の筋肉も目覚めさせることができ、美しい背中作りに寄与します。
気をつけたい点
3種類のターゲット別トレーニングをご紹介しましたが、筋トレメニューに取り入れたいものはありましたか?
肩トレ全体の注意点は「肩はケガをしやすい筋肉」という点。
人間本来の動きではない運動連鎖や軌道が多いので丁寧に実施する必要があります。特に、重量(軽め推奨)と回数(多め推奨)の関係性に留意し、十分なウォーミングアップののちにメインの運動を開始するのがコツです。
これは私個人の意見ですが「魅せるだけの筋肉」は少しもったいないように思います。
せっかくですから、カラダ作りをきっかけにまだ経験していないスポーツに挑戦したり、筋トレをすること自体に喜びや幸せを感じて、明日の活力にしていただきたいですね。